普段生活をしていると、何気ない記憶が助けになることがあります。
「そういえばトイレットペーパーが残り1個だった気がする、買っていこう」等。
お仕事の中でも、こういった記憶は様々な場面で輝いていきます。
お客様と音楽のお打ち合わせをしている際に、ご入場のシーンなどの音楽で扉を開けるタイミングを決めます。
曲の歌いだしや盛り上がる部分や楽器が増える部分等、そのタイミングは様々。
とはいえ、別のお客様とのお打ち合わせで決めた秒数の記憶が残っていると、これがお客様にとっては「神業」に見えるようです。
先日、お打ち合わせの中での一コマ。
「このCDでこの曲という事は、トラック1番ですかね」
「歌いだしは16秒なのでそこのタイミングにしましょう」
ココまでお話をすると、お客様は「本当ですか?」と若干疑惑の念を抱いている様子。
しかし、実際に聞いてみて本当に歌いだしが16秒だった時に、「本当だ!すごい!神業じゃないですか!」お客様にそういわれた瞬間、私は「神」になったのです。
もちろん私は「神」になりたいわけではありません。
ですが、驚いた表情と共に見えるお客様の「笑顔」が、私を「笑顔」にしてくれます。
お客様と触れ合い、打合せをし、本番の音響を担い、そこで得た知識が、お客様の「笑顔」を生み出すことにつながります。
ありきたりな言葉かもしれないけれど、お客様の笑顔は最高の報酬。
その笑顔がまた、私の記憶になり、糧になり、また次のお客様の笑顔を生み出す。
そんなお客様の笑顔こそ、仕事を楽しいと思わせてくれる「神業」なのかもしれません。
Y・I